健康と年金出版社

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2021年度 社会保険トピックス

総括表の廃止と賞与不支給報告書の新設

従来、賞与支払届と算定基礎届の提出の際に添付が必要だった総括表が廃止となり、令和3年4月1日以降提出分から、提出は不要となります。廃止となるのは「被保険者賞与支払届総括表」「被保険者報酬月額算定基礎届総括表」です。

また、「賞与不支給報告書」が新設され、日本年金機構に登録している賞与支払予定月に誰にも賞与を支給しなかった場合に提出します。この際、賞与支払届の提出は不要です。

※組合管掌健康保険の加入事業所では異なる場合があります。

届出や申請書の押印廃止

「押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令」等が公布、施行されたことにより健康保険法施行規則の一部が改正され、各種申請書への押印は一部を除き、原則廃止となりました。

引き続き押印が必要な届書

【協会けんぽ】

  • 高額療養費支給申請書(市区町村長記載欄)
  • 限度額適用・標準負担額認定申請書(市区町村長記載欄)
  • 出産育児一時金内払依頼書・差額申請書(市区町村長記載欄)
  • 出産育児一時金支給申請書(市区町村長記載欄)
  • 保険料預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書(本人記載欄)

※組合管掌健康保険の加入事業所では異なる場合があります。

【日本年金機構】

  • 国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書
  • 国民年金保険料口座振替辞退申出書
  • 委任状(年金分割の合意書請求用)
  • 健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書
  • 船員保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書
  • 健康保険・船員保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書(ゆうちょ銀行用)
  • 健康保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書
  • 船員保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書
  • 健康保険・船員保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書(ゆうちょ銀行用)

令和3年度の年金額は0.1%のマイナス改定

年金額の改定は、名目手取り賃金変動率がマイナスで、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回る場合、名目手取り賃金変動率を用います。令和3年度の参考指標は、物価変動率が0.0%、名目手取り賃金変動率が▲0.1%であるため、年金額は新規裁定年金・既裁定年金ともに、名目手取り賃金変動率(▲0.1%)によって改定されます。

また、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整は行わないこととされているため、令和3年度の年金額改定においては、マクロ経済スライドによる調整は行われません。

なお、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.1%)は翌年度以降に繰り越されます。

【標準モデル世帯の年金額の例】令和3年度(月額)

●国民年金(老齢基礎年金〔満額〕:1人分)
 65,075円(令和2年度:65,141円)
●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
 220,496円(令和2年度:220,724円)

※平均的な収入(平均標準報酬43.9万円〔賞与を含む月額換算〕)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金〔満額〕)の給付水準

令和3年度の国民年金保険料

平成16年の年金制度改正で国民年金の保険料額は毎年引き上げられることになり、平成29年度に上限(平成16年度価格水準で16,900円)に達し、引き上げが完了しました。そのうえで、次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者(自営業の人など)に対して産前産後期間の保険料免除制度が平成31年4月から施行されたことに伴い、令和元年度分より平成16年度価格水準で保険料が月額100円引き上がり、17,000円となりました。 実際の保険料額は、平成16年度価格水準を維持するため、国民年金法第87条第3項の規定により名目賃金の変動に応じて毎年度改定されます。

「オンライン資格確認」の導入

令和3年3月から、医療機関・薬局において被保険者証の資格情報を確認する「オンライン資格確認」が導入され、対応済みの医療機関・薬局でマイナンバーカードが被保険者証として利用できるようになります(本格導入は延期となっています)。これに伴い、現在、世帯単位で付番されている被保険者番号を個人単位化とするため、2桁の枝番が追加されます。

なお、マイナンバーカードを被保険者証として利用するためには、マイナポータルでの手続きが必要です。

年金額改定ルールの見直し

平成28年に成立した持続可能性向上法によりマクロ経済スライドのルールは見直され、平成30年4月からの年金額改定ルールは、年金の名目額が前年度を下回らない措置を維持しながら、賃金・物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を含めて調整することとなっていました。同法により、令和3年4月からはさらに、将来世代の給付水準確保のため、物価が上昇していて賃金が下落している場合や賃金が物価より下落している場合においても、賃金の変動に応じて年金額を改定することになりました。

障害基礎年金と児童扶養手当との調整の見直し

ひとり親の家庭では、児童扶養手当の対象となる児童がいたとしても、親(父または母)が障害基礎年金を受給し、その年金額が児童扶養手当の額を上回る場合は、児童扶養手当は支給されないことになっていました。改正により、障害基礎年金の子の加算部分のみの年金額と児童扶養手当の額を元に調整されることになり、子の加算額と児童扶養手当の額との差額分が児童扶養手当として支給されることになります。

未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加

国民年金保険料の申請全額免除の基準として、個人住民税非課税基準に準拠しているなかでは、これまで地方税法上の障害者及び寡婦(前年の合計所得金額が一定額以下に限定)のみが規定されていましたが、改正により、未婚のひとり親等も加わります。

短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数の引上げ

日本国籍を有しない人が国民年金、厚生年金保険(共済組合等を含む)の被保険者資格を喪失して日本を出国した場合、脱退一時金を請求することができますが、脱退一時金の支給額計算に用いる月数の上限が見直され、令和3年4月より(同年4月以降に年金の加入期間がある場合)、月数の上限が従来の36月(3年)から60月(5年)に引き上げられました。

高額介護サービス費の利用者負担限度額の見直し

現役並み所得者に相当する人の高額介護サービス費の利用者負担限度額は44,400円が世帯上限月額でしたが、改正によってその収入ごとに区分されることになり、年収約1,160万円以上の場合の上限月額は140,100円、年収約770万円~約1,160万円未満の場合の上限月額は93,000円、年収約383万円~約770万円未満の場合の上限月額は44,400円に区分されることになります。

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